造成から草刈りまで

 原建設建材は、固定買取価格制度(FIT)の施行後、早い時期から、太陽光発電所の造成・整地から基礎・架台の設置、草刈りまで一貫して担う機会を得てきた。ただし、電気工事については、自社ではできないため、他社が担っている。

 造成から一貫で手がけた案件は、九州を中心に約40カ所。このほか、他社による施工後、除草を担っている案件も多い。

 最初の案件となった、福岡県遠賀郡の太陽光発電所を手がけた際、これまで土木の経験から、施工した時点で、雑草に悩まされることを予想できたという。

 そこで、原建設建材は、太陽光発電所に向く草刈機として、筑水キャニコム(福岡県うきは市)製を購入し(図4関連コラム)、草刈りを希望する発電事業者に対して、サービスを提供するようになった。

図4●筑水キャニコム製の乗用型草刈機を採用
図4●筑水キャニコム製の乗用型草刈機を採用
回転刃を上下できるなどの利点もあった。画像は筑水キャニコムによる草刈りの様子(出所:日経BP)
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 草刈りの性能のほか、凹凸や傾斜にある程度、対応できること、雑草の刈高を走行中に約15cm上下できることなども、太陽光発電所での利用に向いていたと評価している。

 乗用型草刈機は、土木工事を担う中でも活用している。メガソーラー建設に際しては、雑草に埋もれている地表の状況を確認しないまま設計しているために、実際には地表が想像以上に傾斜していたり、凹凸していたりして、想定した枚数の太陽光パネルを配置できないこともある。

 事前に乗用型草刈機で刈れば、実際にパネルを配置できる場所を正確に確定できるため、こうしたトラブルを回避できる。