農地にはない「石」に注意を
乗用型で除草する場合、果樹園などの農地と太陽光発電所では、運用上、どのような違いや留意点があるのだろうか。
最も大きい違いは、農地と違い、太陽光発電所内の地面には石など硬いものが転がっており、草刈り作業中に弾き飛ばされ、パネルなどの発電設備を傷つける懸念がある点である。砕石を敷きつめている太陽光発電所では、特に注意が必要という。
草刈りユニットは、四つの車輪の間という、低い位置にあり、さらに刈った草などが飛び散らないように、飛散防止用の覆いを備えている(図5)。それでも、石などが回転している刃に当たった場合、強い勢いで飛び出していく恐れがある。こうした課題は、当然ながら農地にはほとんどなく、太陽光発電所に特有のリスクと言える。
対処として、まず回転刃の高さを上げる方法がある。機種によって違いはあるが、高さ80~100mmまで上げられる。ここまで高くすれば、砕石や落ちている石などを跳ね飛ばすリスクを減らせるだろう。
また、開発の当初から、20年間の運用を見据え、乗用型草刈機を導入する計画を立てていれば、発電所設計の工夫によって、こうしたリスクを減らせるとみている。
例えば、アレイ下にだけ砕石を導入し、アレイ間はできれば土をむき出しのままにして、乗用型草刈機で定期的に除草する、また、太陽光パネル最低部の設置高を50cm以下にしない、などが考えられる。こうした工夫によって、運用コストを適切に抑えながら、草刈りに伴う発電設備の損傷リスクも抑えられる。