医療・ヘルスケア分野の最新技術(ヘルステック)とその活用事例を紹介する国際カンファレンス「Health2.0 Asia-Japan 2016」(主催:Health 2.0社)が2016年12月6~7日、東京都内で開催された。「Future is Here: The Most Advanced Technologies and Healthcare(すでに起こっている未来:最先端技術とヘルスケア)」をテーマに、さまざまなセッションが繰り広げられた。

「Health2.0 Asia-Japan 2016」(主催:Health 2.0社)が開催された
「Health2.0 Asia-Japan 2016」(主催:Health 2.0社)が開催された
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トランプ政権の影響は?

Health 2.0社 Co-ChairmanのMatthew Holt氏
Health 2.0社 Co-ChairmanのMatthew Holt氏
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 Health 2.0は、米国西海岸に拠点を置くHealth 2.0社が2007年に立ち上げたイベントだ。キーノートスピーチに登壇した同社 Co-ChairmanのMatthew Holt氏は、「トランプ政権下でどう変わる米国のヘルスケア?」と題して講演した(関連記事)

 Holt氏はまず、オバマ政権が米国にもたらした変化について振り返った。オバマ政権下での医療保険制度改革、いわゆるオバマケアは、ヘルステクノロジーにも影響を与え、米国のヘルスケアを変えてきた。Holt氏が特に大きな変化だと見るのは、(1)米国人の保険取得方法が変わったこと、(2)ヘルスケアに対する支払のされ方が変わったこと、の2点。

 米国では2013年以降、新たに2000万人が保険を取得。低所得者や高齢者でも、メディケア(国が運営する65歳以上の高齢者と障碍者のための医療保険)の対象にならない人に対してオバマケアは恩恵を与えてきた。

 このオバマケアがどうなっていくのか。「トランプ氏はオバマケアを廃止すると訴えているが、米国は大きくて複雑な場所。廃止したくてもなかなかうまくはいかない」とHolt氏は見る。ただし、懸念する点として「この仕組みが完全になくなることはないと思うが、オバマ政権下よりも自己負担が増えてしまう可能性がある」(Holt氏)と指摘した。