京都大学医学部附属病院医療情報企画部長 教授の黒田知宏氏は、2018年11月29日に大阪市で開催された「関西健康・医療創生会議シンポジウム」(主催:関西健康・医療創生会議、関西健康・医療学術連絡会 、共催:京都大学大学院医学研究科)で、ヘルスケア・データサイエンティスト育成の重要性について講演した。

京都大学医学部附属病院医療情報企画部長 教授の黒田知宏氏
京都大学医学部附属病院医療情報企画部長 教授の黒田知宏氏
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 健康・医療ビッグデータを活用した次世代医療の実現に向けて、「次世代医療基盤法」が2018年5月に施行された。黒田氏は「基盤が整いつつあり、データを活用した各種サービスは産業界が検討している。あと足りないのは人材だ」として、ヘルスケア・データサイエンティストの育成の重要性を訴えた。

 ヘルスケア・データサイエンティストを育成する中核となる施設の要件として、(1)臨床医学と情報科学の基礎を教えられる「教育力」、(2)医療情報の癖と法制の綾を教えられる「現場力」、(3)学生に実践の材料と機会を与えられる「情報資産」を挙げた。それらの要件を備えているのは「大学病院しかないだろう」(黒田氏)とした。