東京都杉並区と静岡県南伊豆町は、共同で「お試し移住プロジェクト」を画策している。両自治体の担当者が、「日本版CCRC推進会議 第4回」(2015年9月4日)で講演した。

 杉並区からは文化交流課 主任主事の大下心平氏、南伊豆町からは企画調整課 主幹の山口一実氏が登壇。両自治体の結びつきは、1974年までさかのぼる。当時、交通公害に悩む喘息児童のため、杉並区が南伊豆町に全寮制の「南伊豆健康学園」を設立したことがきっかけだ(2012年に閉園)。続いて1980年には杉並区の林間学校用の施設として南伊豆町に「弓ヶ浜クラブ」を開設するなど、自治体同士の交流を深めてきた。

杉並区の大下氏(左)、南伊豆町の山口氏(右)
杉並区の大下氏(左)、南伊豆町の山口氏(右)
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 大下氏によれば、今回の試みはアクティブシニアが対象となる。ただし、完全移住型ではなく、1週間~数カ月のシーズンステイから、最長5年のワープステイまでの期限付きとなる。

 「当然、最終的に南伊豆町を選択して完全移住をする方もいるだろうが、このプロジェクトでは、原則的に戻ることが仕組みの1つ。なぜならそのまま住民票を移して移住してしまうと、相手先の自治体の高齢化率が上昇してしまうからだ」(大下氏)。