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ソフトウエアで不眠症治療の実現を

睡眠薬の処方量が多い日本

2016/04/10 00:00
近藤 寿成=スプール

 「疾患治療を目的としたソフトウエア開発と臨床試験」――。

 サスメド合同会社の代表で晴和病院の医師でもある上野太郎氏は、「ヘルスソフトウエアカンファレンス」(2016年2月17日、東京都内で開催)において、このような演題で講演。不眠治療を目的としたソフトウエアの開発について語った。

講演する上野氏
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 ソフトウエアによる不眠症治療の実現を目指す上野氏は、まず世界の主要各都市の睡眠時間を紹介、最下位である日本・東京の5時間46分が世界的に見てもかなり短いことを指摘した。

 そして、ここで問題となるのが不眠による健康への影響だ。これは昼間の眠気や倦怠感だけではなく、慢性的な身体障害につながることが臨床研究などで分かっているほか、メタボリックシンドロームをはじめとする身体疾患、うつ病といったメンタルヘルス、極めつけはがんの発生リスクとの関係も医学的に立証されているとした。さらに、経済面でも仕事の能率の低下、交通事故、産業事故などのリスクがあり、「睡眠障害による日本の経済損失は年間3.5兆円にものぼるといわれている」(上野氏)。

 また、脳科学的には睡眠不足になるとイライラしやすくなるなど、負の感情が増強されることが分かっているという。加えて、肥満を引き起こすことも分子レベルで実証されており、睡眠不足になると食欲を促進する「グレリン」と呼ばれるホルモンが増加する一方で、満腹ホルモンとも呼ばれる「レプチン」が低下するといわれているとした。

 このように、睡眠不足や睡眠障害が日本経済に大きな負の影響を与えていることは間違いないとした上で、上野氏は「日本の睡眠医療が少し歪んでいる」ことを憂慮する。例えば、米国のNIH(National Institutes of Health:アメリカ国立衛生研究所)では不眠症患者の治療に睡眠薬の使用は極力禁止しており、認知行動療法を推奨。睡眠障害の患者に対しては、カウンセリングなどで睡眠障害の原因を取り除くことに努めている。一方で、日本ではすぐに睡眠薬を処方してしまうのが実情だ。

日経デジタルヘルス Special

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