「当時は政府の中にも、ただのPHR(Personal Health Record)だろうと考えている人もいた。しかし、このコンセプトには非常に重要な要素が含まれている」――。
「PeOPLe」(Person centered Open PLatform for wellbeing)について、慶応義塾大学医学部 医療政策・管理学教室 教授の宮田裕章氏はこう指摘する。「ウェルビーイングイノベーションメディアセミナー」(2018年2月14日)における「AI・ICTの変革がもたらす次世代ヘルスケアの実現」と題した講演での発言だ。
PeOPLeは、個人の健康な時から疾病や介護の段階までの保健医療データを、その個人を中心にした形で統合した情報基盤のこと。厚生労働大臣のもとに設置された「保健医療分野におけるICT活用推進懇談会」が、2016年10月にまとめた提言書で示したコンセプトである。宮田氏は、この懇談会メンバーの一人である。