2019年1月8日~11日に米ラスベガスで開催された、米国最大のコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES 2019」では、ヘルスケア関連の展示が相次いだ。センサーをブーツや下着などに装着して常時データを計測し、医師とデータを共有したりする製品などに注目が集まっていた。日経 xTECHからCES 2019のヘルスケア関連記事をダイジェストで紹介する。

糖尿病による足切断を防ぐブーツ

Optima Molliterの足潰瘍治療向けブーツにスマートフォン連携するセンサーを加えた(写真:日経 xTECH)
Optima Molliterの足潰瘍治療向けブーツにスマートフォン連携するセンサーを加えた(写真:日経 xTECH)
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 糖尿病の合併症の1つが、足の皮膚に生じる「糖尿病性足潰瘍」だ。体の末端である足は潰瘍や壊疽(えそ)が生じやすく、最悪のケースでは足を切断することになる。イタリアで糖尿病性足潰瘍患者向けの製品を扱うOptima Molliterは、足潰瘍の治療に向けたIoTブーツ「MOTUS Smart」をCES 2019のスタートアップに特化した展示会「Eureka Park」で披露した。

 Optima Molliterは、スキーブーツのような形状で患部を保護する治療用ブーツを既に実用化している。今回、このブーツにセンサーを加えることを提案した。歩数や活動量などのほか、履いているかどうかをセンサーで検知する。治療の段階に応じて少しずつ歩いて良い歩数を増やしていくため、決められた歩数を超えた場合には本人や医師に警告が通知される。イタリアの大学の付属病院などと臨床試験を行っており、米国のFDA認証も取得した(日経 xTECHの詳細記事)。