多様な研究デザインが可能

 ジーンクエストの齋藤氏は、インターネットを使うコホート研究のメリットとして、検査の項目やデータを「後から追加したり、定期的に取得したりすることで、時系列のデータを集積できる」点を挙げる。従来のコホート研究は、明らかにしたい結論を導くために必要な調査項目を事前に確定。後からそれを変更したり追加したりすることは、研究デザイン上、許されないことが多かった。こうした限界を打ち破る研究デザインの自由度の高さが、インターネット・コホートの大きな魅力だ。

 加えて、従来のコホート研究が主な対象としてきた「『疾病』や『患者』ではなく、おそらく健康だろうと思われる多数の人のデータが集まる。“50歳以上で(大きな)病気になったことのない人”といった形でのデータ抽出ができる」(齋藤氏)。