HOYAは暗所で物が見えにくい夜盲症の人の支援を目的とする暗所視支援眼鏡「HOYA MW10 HiKARI」を2018年11月から全国販売すると発表した。カメラで捉えた光を増幅してディスプレー部分に明るいカラー画像を投影する眼鏡型のウエアラブル端末になる。価格は39万5000円(税別)。

暗所で物が見えにくい人を支援する眼鏡型のウエアラブル端末
暗所で物が見えにくい人を支援する眼鏡型のウエアラブル端末
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 夜盲症は暗所で物が見えにくくなるため、夕方から夜間の行動範囲が限られ、日常生活に制限が生じる場合がある。HOYAは2014年に開発に着手し、2016年に最初の試作品を完成させた。その後も試作を繰り返し、合計8回の試作を経て製品化にたどり着いた。

 都内で開催した記者発表で、同社MWプロジェクト室長の石塚隆之氏は「カラーで見えることにこだわった」と話した。そのために白黒表示になる赤外線カメラではなく、カラーで表示できる低照度高感度カメラを独自に開発した。眼鏡に設置したカメラで捉えた光を増幅して、有機ELディスプレーに明るいカラー映像を表示し、ハーフミラーに投影する構造になっている。月夜の明るさ程度まで対応できるという。