継続率は80%

 この取り組みの効果はいかなるものなのか。Noom Japanによれば、2017年2月の開始以降、17週経過時点での対象者の継続率は80%と高い数値を維持しているという。同時点の継続者の減量成功率は94.1%で、5%以上の減量成功率も全体の35.3%。BMIが25以上の対象者は、約90%から約50%に減少した。

 なお、対象者の平均年齢は50.65歳。「積極的支援」と「動機づけ支援」の対象者の比率は4対1だという。

管理栄養士との初回面談のイメージ。スマートフォンにダウンロードしたビデオ会議アプリ「appear.in」で実施している様子
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 今回の仕組みのメリットについて、Noom Japan ライフスタイルコーチ/管理栄養士の大田桃子氏は、「指導(コンタクト)の頻度が増えることにある」と語る。従来の一般的な特定保健指導では、初回に管理栄養士と対面で面談、その後、数カ月に1回、電話などで指導を受けるという形態だった。しかし、今回の愛媛県での事例では「平均すれば対象者と3~5日に1回はコンタクトしている」(同氏)という。

 メッセージ機能を通して管理栄養士にいつでも質問したり会話したりすることが可能であるため、コミュニケーションがより円滑になる傾向があるというわけだ。また、電話では時間的な拘束感を感じる対象者も、メッセージ機能であれば自分のタイミングで、いわゆる「すきま時間」などを利用してコミュニケーションが取れるという利点もある。なお、対象者から届いたメッセージについては、「土日を除いて、基本的には24時間以内に返信するようにしている」(大田氏)。

Noomコーチのアプリ画面とメッセージ機能によるやり取りのイメージ(提供:Noom Japan)
Noomコーチのアプリ画面とメッセージ機能によるやり取りのイメージ(提供:Noom Japan)
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