肌の色やほくろの位置、体毛、肌から透ける血管までリアルに再現する――。
島根県大田市で義肢や装具の製造販売を行う中村ブレイス。同社が手掛ける手指などの人工補正具や人工乳房は、人体と遜色ないほど見た目の精巧さを追求していることが特徴だ。
リアルな見た目を追求するのは、利用者からの「もともとあった手指や手首、乳房に近いものが欲しい」という要望に応えるためだ。実は、一般的な義肢は、色や形が異なるいくつかのパターンの中から自分に合うものを選択することが多い。これに対して同社では、利用者の体の肌の色などを参考にしながら完全オーダーメードで製作を進めている。
最寄り駅から車で20分という立地にも関わらず、こうした製品を求めて国内外から多くの人が同社に足を運ぶ。困っている人に「“中村ブレイスなら”と頼ってもらえる会社を目指したい」(同社 取締役社長の中村宣郎氏)という思いは、創業以来揺るがない。