ライフログやゲノムをAIで統合解析

 今回のプロジェクトでは、学童期から成人まで幅広い年代の久米島町民を対象に、食事や睡眠、運動などの生活情報(ライフログ)や生体情報を収集する。活用するのはスマートフォンアプリやウエアラブル機器、センサー端末などだ。

 これらのデータを循環器や心血管、肝腎機能に関する情報(代謝表現型)やゲノム情報と併せて人工知能(AI)で統合解析する。これにより「どのような生活習慣や遺伝的背景を持っていると病気になりやすいか、その鍵を握る因子や生活習慣の改善につながる仕掛けを見いだす。アプリによるフィードバックが、生活習慣や検査値をどのように改善するかも確かめたい」(琉球大学の益崎氏)。予防医学の新たな知見を得るとともに、個々人に対して望ましい生活習慣を提案する健康支援サービスにつなげる狙いがある。

プロジェクトの概要
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 アプリやセンサー、ビッグデータを活用して生活習慣病を改善および予防する試みは、これまでも各所で行われてきた。今回は、解析項目に腸内フローラやメタボロームなどを取り入れた「より高度な解析をAIを活用して行う。従来とは一線を画した取り組みにしたい」と益崎氏は話す。

 個別プロジェクトの一つとして計画しているのが、夜間頻尿を指標とした生活習慣病の超早期診断法とモニタリングシステムの開発だ。デジタルヘルスデバイスを活用してこれを実現する。