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データ入力から症例登録データベースまで1つのプラットフォームで構築

FileMakerで実現した日本集中治療医学会のICU患者データベース

2017/08/09 00:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

日本集中治療医学会は、集中治療室(ICU)入室患者の症例登録データベースである「日本ICU患者データベース」(Japanese Intensive care Patient Database:JIPAD)を2014年1月から運用している。重症度や死亡率の比較による集中治療の客観的な評価を提供することで参加施設の治療成績の向上を目指すほか、特定集中治療室管理料などの診療報酬に関する提言や、医療資源の適正配分などを支援する狙いがある。このJIPADの核となるデータベースと参加施設のデータ入力システムのプラットフォームとして採用されているのが、FileMakerである。

 日本外科学会を基盤とする外科系各学会による手術症例の登録データベースであるNCD(National Clinical Database)をはじめ、さまざまな学会、団体が症例登録データベース事業を立ち上げている。日本集中治療医学会が、日本の集中治療の実態を明らかにするために構築したJIPAD(ジェイアイパッド)はその1つだ。

日本集中治療医学会理事で京都府立医科大学附属病院集中治療部部長の橋本悟氏
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 「集中治療の場合、疾病別でなく重症度別という括りで治療を評価することが重要。重症者を対象としたケースミックススタディーを行うために事業を開始した。欧米先進諸国では30年ほど前から取り組んでいる仕組みで、日本でも実現すべきだという声は1990年代からあった。ただ、主導する人が現われず、事業資金の問題もあってなかなか実現しなかった」。日本集中治療医学会理事の橋本悟氏(京都府立医科大学附属病院 集中治療部部長、医療情報部部長)は、JIPAD事業発足の背景をこう話す。

 JIPAD構築の目的は、ICUの機能に関係する情報を多施設から収集して評価基準(ベンチマーク)を作成し、機能評価を標準化すること。最終的には、集中治療が必要な重症患者の適切な治療指針を策定し、患者予後の改善と過剰治療の回避を実現することにあるという。「重症度スコアと死亡の関連を示す各施設のデータが集まれば、日本の重症度別死亡率が算出できる。その値と各施設の死亡率を比較すれば、その施設の治療成績が明らかになる。問題のある施設に対してはデータに基づいた個別指導ができ、治療成績の向上に寄与し得る。こうした活動は集中治療専門医の地位向上にも役立つと考えている」(橋本氏)と狙いを説明した。

JIPADのデータ収集手順と期待できる効果
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 JIPADの構築は、2011年7月のデータベース作成準備ワーキンググループ発足が端緒。当時、学会のICU機能評価委員会委員長だった橋本氏に白羽の矢が立ち、同委員会で事業計画が練られた。事業展開に当たって、オーストラリア/ニュージーランドの集中治療医学会(ANZICS)と提携し、同学会の症例登録レジストリーであるANZICS-COREの成人データベース(APD)のデータベース構造をほぼ踏襲したという。2013年に5施設によるパイロットスタディーを開始し、同年中にシステムのコアプログラムが完成して翌2014年1月にJIPADの稼働を始めた。

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