課題はどこに…

 PHRサービスやWelby マイカルテの課題については、医療機関からはどう見ているのだろうか。

 ともながクリニックの朝長氏は、診療報酬(保険点数)が付かないことを指摘する。「(点数が付く)電話等再診のように、メールでの再診やPHRサービスを通じたコメントにも点数が付くようになれば、利用する病院やクリニックが増えるのではないか」(同氏)。

南流山糖尿病栄養内科 さいとうクリニック 院長の齊藤辰彦氏
南流山糖尿病栄養内科 さいとうクリニック 院長の齊藤辰彦氏
[画像のクリックで拡大表示]
 南流山糖尿病栄養内科 さいとうクリニックの齊藤氏は、Welby マイカルテと連携する機器の数がまだ物足りないと語る。「患者が自宅で持っている機器と連携できず、手入力している患者も多い。連携機器をもっと増やしてほしい。インタフェースが利用者に優しくなければ、継続利用は難しい。理想は、どのデバイスを使っていても連携できることだ」(同氏)。

 連携機器に関しては将来、採血不要で非侵襲の血糖値センサーが実用化されれば、特に糖尿病患者向けのPHRサービスにおいては大きなインパクトを与えると齊藤氏は語る。具体的には、米Abbott Laboratories社が現在、医療機器としての承認を厚生労働省に申請している血糖値センサーを例に挙げ、「こうした機器が登場してくるとPHRサービスや医療の姿がガラリと変わるのではないか」と期待を寄せた(関連記事)。