高齢者の食生活に「植物油」を採り入れ、栄養状態や認知機能の改善につなげる――。そんな試みが、三重県鈴鹿市で始まる。同市と鈴鹿医療科学大学、日清オイリオグループの3者が協力。60才以上の市民500人を対象とした実証研究などに取り組む。

 2016年2月22日、鈴鹿市で共同記者発表会を開催した。登壇した鈴鹿市長の末松則子氏は、今回の取り組みを通じて「地域の中で高齢者が自分らしく生きるまち『すずか』を目指す。新たなビジネスモデルの構築や健康食品の開発にもつなげたい」と話した。

発表会の様子。向かって左から順に、日清オイリオグループ 代表取締役社長の今村隆郎氏、鈴鹿市長の末松則子氏、鈴鹿医療科学大学 理事長の高木純一氏
発表会の様子。向かって左から順に、日清オイリオグループ 代表取締役社長の今村隆郎氏、鈴鹿市長の末松則子氏、鈴鹿医療科学大学 理事長の高木純一氏
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 鈴鹿市はホンダが生産拠点を置き、自動車関連産業が集積するものづくりの街。F1日本グランプリが開催される「鈴鹿サーキット」の名は世界に知られる。一方、2012年に高齢化率が20%を超え、「これからも右肩上がりに高齢化が進む。地域経済の活性化には、持続性ある元気な街づくりが欠かせない」(末松氏)との課題も抱えている。

 末松氏は、日清オイリオグループ 代表取締役社長の今村隆郎氏が鈴鹿市出身であることを知り、「鈴鹿市の未来をつくる」(末松氏)取り組みについて、相談を持ちかけた。これが今回の協業に発展したという。