まずは課題を洗い出す

 こうした悩みを抱えるベンチャーに対し、ヘルステックプログラムでは「“駆け込み寺”のようなオープンな場を提供したい」(福島氏)。

 製薬企業は病院や医師、患者、学会など、医療分野の「さまざまなステークホルダーとつながりを持つ」(樋渡氏)立場にある。そこで、MSDがこれらのステークホルダーとのコンタクトチャネルをベンチャーに提供。顧客ニーズやパートナーとの連携を意識したサービス開発を支援する。特に、ヘルスケア分野の「課題を洗い出し、それを伝えることが重要な役割になる」(福島氏)。

 支援対象は、ハードウエアを手掛ける企業から、アプリケーションやサービスを手掛ける企業まで「幅広く検討したい。ビジネスモデルもC(一般消費者)向けやB(法人)向け、B to B to Employee(従業員)など、多様な形が考えられる」(福島氏)。

 比較的近い時期に製品やサービスを市場投入できそうな企業を中心に、開発から事業化までを支援する考え。資金提供という形の支援も排除しないが、資金目的ではなくあくまでも「技術と情熱を持った企業を支援する」(樋渡氏)。