製薬企業とベンチャーキャピタルがタッグを組み、ICT(情報通信技術)を生かしたヘルスケアビジネスの“土壌”をつくる――。そんな動きが日本で始まる。
米製薬大手Merck & Co.日本法人のMSDは2016年2月、ベンチャーキャピタルのグロービス・キャピタル・パートナーズと共同で「ヘルステックプログラム」を始動させる。ヘルスケア分野でICTを活用したサービスやソリューションを開発するベンチャー企業に対し、事業化に必要な知見やノウハウ、ネットワークなどを無償で提供する取り組みだ。
MSDはヘルスケア業界の課題や専門知識、各種法規制に関する知見やノウハウを提供。グロービス・キャピタル・パートナーズは、経営や資金調達に関するノウハウやネットワークを提供する。
ベンチャー企業の育成や支援に関する取り組みは、米国の医療・製薬業界では盛んだ。一方、日本では、製薬企業がこうしたオープンな形でヘルスケアベンチャーを支援する取り組みは異例といえる。
ヘルステックプログラムの狙いや具体的な取り組みについて、MSD 経営戦略部門 ビジネス・イノベーション・グループ ディレクターの樋渡勝彦氏と、グロービス・キャピタル・パートナーズ シニア・アソシエイトの福島智史氏に聞いた。