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HOMEエネルギーメガソーラーメガソーラービジネス > 桜島の火山灰を27年間浴びた太陽光パネル、劣化などは?

メガソーラービジネス

桜島の火山灰を27年間浴びた太陽光パネル、劣化などは?

産業技術総合研究所 九州センター・その4

  • 加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテック研究所
  • 2017/11/01 05:00
  • 1/3ページ

 太陽光パネルは、開発時や製造時の抜き取り品を対象に、複数の加速試験などを重ね、性能や信頼性、安全性に関して評価している。しかし、それらは特定の環境要因ごとに過酷な条件に曝露させる試験装置が使われる。一方で、実際の発電所は、複数の環境要因が同時に変化する中で運用される。こうした実際の環境下で長期間、稼働した太陽光パネルが、どのような影響を受けるのか。産業技術総合研究所(産総研)九州センター(佐賀県鳥栖市)における研究や検証の例を、産総研 太陽光発電研究センター モジュール信頼性チーム 千葉恭男研究チーム長に聞いた(第1回第2回第3回)。

――九州には、桜島や阿蘇山、最近も噴火した新燃岳など、活発な活動を続ける火山があります。火山灰による発電量の減少やパネルの劣化など、どの程度の影響がありますか。

 産総研のわれわれのチームと鹿児島県工業技術センター、鹿児島大学と共同で研究した例があります。鹿児島県工業技術センターに設置された太陽光発電設備における例です。

 鹿児島県工業技術センターは、桜島の火口の北方約20kmの位置にあります。ここに、産総研 九州センターと同じように、屋外に太陽光パネルを並べた曝露試験設備があります。結晶シリコン型が2種、薄膜シリコン型が1種、化合物型(CIGS)の1種という、合計4種を設置しています。

 まず、桜島の噴火に伴いパネルに積もった火山灰が、水による洗浄で流せるのかどうか、また、パネル表面を覆った火山灰による発電量への影響を調べています(図1)。発電量の変化については、データを蓄積中で、今後、成果を発表していく予定です。

図1●桜島の噴火によって火山灰が積もる
鹿児島県工業技術センターの曝露試験設備に設置されたパネル(出所:産総研 太陽光発電研究センター)
[画像のクリックで拡大表示]

 水で流れ落ちるのかどうかについては、一部の太陽光パネルに対して、洗浄システムを追加することで評価しました(図2)。

図2●洗浄システムを使って発電量への影響を分析
鹿児島県工業技術センターの曝露試験設備に設置されたパネル(出所:産総研 太陽光発電研究センター)
[画像のクリックで拡大表示]

 この洗浄システムは、太陽光パネルの上から、管を通じて水を落とす仕組みです。太陽光パネルの表面に、機械的な荷重をかけない手法を採用しています。

 パネル上を通した管には、1cm間隔で、直径2mmの穴が開いています。この穴を通じて、太陽光パネルの表面に水を落とし、火山灰を洗い流します。

 今のところ、この仕組みによって、うまく流れ落ちています。

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