中国トリナ・ソーラーは、太陽光パネルの生産能力6GWを持つ、世界トップメーカーの1つとしてグローバルに展開している。一方で、蓄電池システムの強化や積極的なメガソーラー(大規模太陽光発電所)開発など、単なるパネルメーカーからの脱皮を急いでいる。高紀凡CEO(最高経営責任者)に今後の経営戦略について聞いた。

「太陽光発電・プラスアルファをアピール」

トリナ・ソーラーの高紀凡(Jifan Gao)会長兼CEO(最高経営責任者)
トリナ・ソーラーの高紀凡(Jifan Gao)会長兼CEO(最高経営責任者)

――世界有数の太陽光パネルメーカーとして、今後の経営戦略の方向性を教えて下さい。

高CEO 「トリナ・ソーラー」が世界的なブランドとして評価されているのは、イノベーションを生み出す力にあると思います。太陽光パネル(モジュール)の変換効率では、これまで15回も記録を更新していますし、1000件以上の特許を取得しています。

 世界各国のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の多くに採用されているのは、バンカビリティ(融資適格性)が最も高いパネルメーカーの1つと評価されているからです。その背景にも、技術・品質への信頼感があると思います。

 加えて、今後は、単なる「太陽光パネルのリーディングカンパニー」ではなく、太陽光発電の「トータル・ソリューション・イノベーター」を目指していきます。今年3月に日本で開催された太陽光関連の展示会では、「太陽光発電・プラスアルファ」、例えば、蓄電池や燃料電池、スマートグリッド関連のシステムを多くアピールしました。

太陽光発電を中心に様々な分散エネルギーリソースを最適に統合制御していくことが今後のビジネス展開でたいへん重要になってきます。

――日本市場をどのように位置付けていますか。

高CEO 日本には多くの人材やリソースを投入しており、重要市場の1つと位置付けています。東日本大震災後、原発の稼働が遅れているなか、今後、日本では再生可能エネルギーの必要性が一層、高まります。太陽光パネルの提供でそれに貢献できます。

 もともと品質を重視する日本市場は、トリナ・ソーラーの経営理念とマッチしています。スマートグリッド関連など、今後、目指していく技術的な方向性と、日本市場でのニーズも一致しており、ビジネスチャンスが広がると期待しています。