太陽光発電は、相対的に歴史の浅い産業分野に入る。本格的に市場が拡大しはじめてから10年足らずと言える。

 市場の拡大で、社会的に問われ始めている問題の一つが、「安全性」である。発電設備そのものの安全性だけでなく、立地開発から建設・運用を含めた安全対策が問われている。

 ただし、これらは、あくまで太陽光発電設備が、発電に使われるという前提に基づく「安全性」である。発電以外に使った場合のリスクには、まだ目が向けられていない。

 太陽光発電設備の中でも、接続箱やパワーコンディショナー(PCS)などを、太陽光発電以外の目的で使うことは、あまり考えられない。しかし、太陽光パネルは、身近になればなるほど、発電以外の用途で使われることが懸念される。

 太陽光パネルは、「面積が広い」、「硬い」、「水を通しにくい」といった印象を与える。使用済みパネルが身近にあった場合、「面積が広い」、「硬い」、「水を通しにくい」ものが必要になった時に、代替品として安易に使われてしまう可能性がある。

 例えば、仕切りや衝立といった、垂直方向に空間を遮るもの、日除けや雨よけなど、水平方向に上部を覆うもの、台やテーブルなど、一定の高さに設置する構造物、ものを置いたり通行性を向上するためのシートや板といった、地面に敷くもの、などが思い浮かぶ(図1)。


図1●日除け・雨よけ、仕切りや衝立、台やテーブルなど、さまざまな用途で目的外に使われる可能性がある
図1●日除け・雨よけ、仕切りや衝立、台やテーブルなど、さまざまな用途で目的外に使われる可能性がある
(出所:日経BP)
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