今回のシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で遭遇してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に設立された電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時の原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 前回、紹介した「積雪の重みによって架台が倒壊した太陽光発電所」のうちの1カ所では、もう一つ大きな不具合が起きていた。

 主に後半で触れた、毎年のように一定の降雪がある場所に立地しながら、設計ミスと思われる要因によって、積雪の後、架台が曲がったり、地面に向かって沈み込むといった損傷が生じていた発電所である。架台の多くの箇所で高さの不足を補う部材(スペーサー)も追加されていた。架台の高さが足りず、太陽光パネルを固定できなかったため、追加的に補ったと思われる。

 エネテクによると、この発電所では、他の部分にも設計や施工のミスによる不具合が見られた。そのうち大きなものが、太陽光パネルを接続するコネクターや、その周辺の電線の多くが、溶けたり焼損したりしていたことだった(図1)。

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図1●焼損して接続が外れたコネクター
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図1●焼損して接続が外れたコネクター
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図1●焼損して接続が外れたコネクター
約4分の1の回路で発見(出所:エネテク)

 低圧配電線に連系している13基の太陽光発電所で構成され、合計208回路の直流回路のうち、約4分の1となる54回路でコネクターが損傷していた。