2018年夏から秋にかけて、国内各地で記録的な強風や豪雨を伴う台風の通過が相次いだ。住宅や社会インフラ、山林、河川などに大きな被害をもたらし、それらの地域に立地している太陽光発電所のなかには、大きく損壊するなど被害を受けたサイトもあった。9月30日に日向灘を強い勢力で通過し、宮崎県内を暴風雨にさらした台風24号によって、同県内で被災した太陽光発電所の例を紹介する(その1:基礎ごとアレイが吹き飛ぶ、その2:スクリュー杭が抜けアレイが吹き飛ぶ、その3:国道沿いの太陽光パネルが吹き飛ぶ)。

 今回紹介するのも、宮崎市内に立地する低圧配電線に連系している事業用太陽光発電所である(図1)。

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図1●復旧に向けた工事が進んでいた
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図1●復旧に向けた工事が進んでいた
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図1●復旧に向けた工事が進んでいた
(出所:日経BP)

 複数の事業用低圧太陽光が隣接しており、このうち4カ所が損壊したと見られる。

 被災後、しばらくした2018年11月中旬に訪れた時には二つのアレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)を基礎から打ち直している状況だった。また、他の一つのアレイはすべての太陽光パネルが架台から外れ、もう一つのアレイは、下段から上段まで1列の太陽光パネルが、架台から外れたままの状況になっていた。

 杭基礎を打ち直したり、架台から外れたり損壊したとみられる太陽光パネルが取り外され、敷地の内外で地面に積み重ねられている。この状況から、復旧に向けた工事が進んでいる途中とみられる。このため、台風24号の通過時の強風にともなう被災の状況は、痕跡から推測してみた。