「クマが侵入か!?」と緊張が走る

また、パネルの下などに雨水が溜まりやすい場所ができ始めたため、水が抜けるように排水口まで水路(溝)を敷設する対策を実施した。

 MSMでは、綜合警備保障(ALSOK)と契約して監視カメラを設置している。ALSOKのガードセンターが24時間体制で侵入者などを自動検知する画像センサーを備えている。今夏、夜中にこの検知システムに野生動物らしき画像が映し出され、警報が発せられたことがあった(図6)

図6●監視カメラが捉えた侵入動物の画像
図6●監視カメラが捉えた侵入動物の画像
(出所:三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合)
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 一時は、ツキノワグマがサイト内に侵入したのではないかと、緊張が走ったという。クマであれば、ケーブルを引きちぎる力も強いし、うかつに近付けない。翌日、ALSOKが現地を検証したところ、フェンスの下を掘り返した跡があった。大きさなどから、クマではなく、タヌキの可能性が高いとの報告だった(図7)

図7●フェンスの下を掘り返して小動物が侵入した。ヘルメットとの比較
図7●フェンスの下を掘り返して小動物が侵入した。ヘルメットとの比較
(出所:三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合)
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 これを受け、メンテナンス作業の一環として、サイト内に小動物が侵入できないように対策を実施した。フェンスと地面との隙間が空いている部分には、土を寄せて埋めた。加えて、場所によっては、土嚢を作成して、フェンスと下に設置して、地面との隙間を完全に塞いだ。

 発電量を増やす方策として、サイト内に反射板を立て、太陽光パネルに日射をより多く当てる試みも実施した。「発電量の増加に一定の効果は確認できたものの、強風で反射板が飛んでしまうリスクがあり、その度に外していたのでは手が掛かり過ぎることが分かった」(小坂監事)。現在、風圧を受けずに日光を反射させる仕組みを検討している。