設備利用率は14%を超える

 当初は、1チーム(4人)で2サイトをローテーションで担当したが、2016年4月に3サイトになってからは、2チーム(8人)で3サイトを担当する体制にした。現在、2チームの作業に対し、月60万円、年間720万円で契約している。

 「2MW程度のメガソーラーの除草を委託すると、1回100万~150万円かかる。楽晴会へのO&M作業の委託は、除草だけでもコスト効率が高い」(小坂監事)。加えて、冬季には、パネルの雪下しで月に1ポイント程度、設備利用率を押し上げる効果があるという。

 MSM-1号機と2号機は、稼働して2年経ち、2期目の発電量は、1号機が240万kWh、2号機が104万kWhに達した。予想発電量を1~2割上振れしており、設備利用率は、両発電所とも14%を超えている。これは雪国ながら全国平均と遜色ないレベルだ。

 例えば、日常的なO&M作業では、ボルトの状態にも配慮しているという。「錆への対応や何カ所かに緩みの兆候があり締め直した」(小坂監事)という。錆びを除去しつつ、ペンキを塗るなどの対策も施した。パネルの清掃では、鳥の糞のほか、パネル低部のフレーム間際に汚れが溜まりやすいことから、重点的に拭き掃除をしているという(図4)

図4●鳥の糞などのパネル清掃の様子
図4●鳥の糞などのパネル清掃の様子
(出所:三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合)
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 雪下しでは、パネルを傷付けない「太陽光用の雪かき」を独自に考案した。雪下ろしは重労働というイメージがあるが、「20度の斜面があるので、それほど大きな力は要らない。きれいに除雪しなくても、光が通る程度に落とせば、日が出ると発電を始めてパネルの温度が上がって自然に解けて流れ落ちる」と、小坂監事は言う(図5)

図5●独自の雪かき道具を使った雪下ろし
図5●独自の雪かき道具を使った雪下ろし
(出所:三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合)
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