PFIで3つの業務を民間が建設・運営

 今回のプロジェクトは、豊橋市が民間企業に発注した「豊橋市バイオマス資源利活用施設整備・運営事業」によるものだ。同事業は、3つの業務から構成される。(1)下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥、生ごみを発酵させて得たメタンガスを有効活用する業務、(2)発酵後の残渣(汚泥)を有効に活用する業務、(3)両業務で使用しなかった場内の未利用地を有効活用する業務―――。

 そして、事業形態として、PFI(Private Finance Initiative)のうち、BTO(Build Transfer Operate)方式を採用した。建設資金を民間企業が調達し、完成後に所有権を豊橋市に移転、運営を同一の民間が担う形になる。(1)と(2)は豊橋市が民間からサービスを購入する形になる。(3)は独立採算で、市は民間に未利用地を賃貸しすることになる。

 こうした事業内容を公表して、市が民間に提案を募り、JFEエンジニアリングと鹿島建設、鹿島環境エンジニアリング、オーテックの出資するSPC(特定目的会社)豊橋バイオウィルが137億円で受注した。市の予定価格は232億円だった。

 その提案内容が、(1)に関してはメタンガスを燃料にしたバイオマス発電・売電事業、(2)に関しては、発酵残渣から炭化燃料を製造・販売する事業(図4)。そして(3)に関しては、太陽光発電所を建設して売電する、というものだった。バイオマス発電とメガソーラー発電による電力は、固定価格買取制度(FIT)を利用して売電する。

図4●3種のバイオマスから電気と炭化燃料を生み出す
図4●3種のバイオマスから電気と炭化燃料を生み出す
(出所:JFEエンジニアリング)
[画像のクリックで拡大表示]