蓄電池を使った防災訓練

 伊勢二見のメガソーラーは、自社で開発した分譲住宅地に隣接していることもあり、地域にメガソーラーが溶け込むような活動に取り組んでいる。

 まず、メガソーラー内に備えた蓄電池は、容量2.2kWの小型タイプで、住民が自転車に乗せて運ぶことを想定して選んだ。

 こうした用途のため、蓄電池システムを収納する建屋の鍵は、分譲住宅地の自治会長が管理している。平常時から、発電電力は、この蓄電池の充電に優先的に割り当てている。

 伊勢二見の分譲住宅地は、地域のコミュニティが活発という。定期的な防災訓練も、分譲住宅地の自治会が主催している(図6)。

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図6●防災訓練の炊き出しにメガソーラー内の蓄電池を活用
図6●防災訓練の炊き出しにメガソーラー内の蓄電池を活用
分譲住宅地の自治会が主催(出所:三交不動産)
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 この防災訓練では、メガソーラーの稼働以降、メガソーラーの敷地内に備える蓄電池を使い、炊き出しなどに使うという内容が加わった。

 幸いなことに、実際に蓄電池を活用するような状況は、今のところ起きていない。

 小中学校の環境学習、企業や団体による見学といった、太陽光発電の普及・啓蒙活動なども、積極的に受け入れている(図7)。

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図7●見学を積極的に受け入れている
図7●見学を積極的に受け入れている
メガソーラーの隣には、大型バスにも対応できる駐車場を備える。分譲住宅の管理拠点も活用できる利点を生かす(出所:三交不動産)
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 メガソーラーや非常用蓄電池システムの見学に加え、座学による解説も行っている。その場合、分譲住宅地内にある三交不動産の住宅販売・管理拠点を活用している。自社の分譲地の隣接地に太陽光発電所を設置した利点でもある。

 企業の来訪では、「伊勢神宮の参拝後に見学したい」という要望があり、対応したことがあるという。伊勢神宮という、全国的な観光名所に近い場所ならではといえる。

●発電所の概要
発電所名伊勢二見メガソーラー光の街
所在地三重県伊勢市二見町光の街(三交不動産の所有地)
敷地面積約7ha
太陽光パネル出力合計約8.6MW
パワーコンディショナー(PCS)出力売電用:合計6.295MW
 第1発電所:1.75MW
 第2発電所:2.55MW
 第3発電所:1.995MW
非常用:50kW
発電事業者三交不動産
EPC(設計・調達・施工)サービス事業者千代田化工建設
太陽光パネルソーラーフロンティア製
PCS売電用:東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
非常用:GSユアサ製
設備認定上の売電価格(税抜き)第1・第2発電所:40円/kWh
第3発電所:36円/kWh
売電開始第1発電所:2013年14月
第2発電所:2013年8月
第3発電所:2015年11月
売電先丸紅新電力