宮城県石巻市のゴルフ場跡に、太陽光パネル出力が約14MW、連系出力が10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「石巻沼津太陽光発電所」がある(図1動画1)。2017年9月に稼働を開始した。

図1・動画1●石巻市にあるゴルフ場跡に開発
図1・動画1●石巻市にあるゴルフ場跡に開発
(出所:トリナ・ソーラー・ジャパン・エナジー)
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 太陽光パネル大手の中国トリナ・ソーラーの100%子会社で、日本国内で太陽光発電プロジェクトの開発を手がけているトリナ・ソーラー・ジャパン・エナジー(東京都港区)が開発した。

 数年前から、太陽光パネルの大手各社は、パネル販売を展開している世界各地の地域において、パネル販売とともにメガソーラーの開発や運営にも注力する傾向を強めている。

 その理由は、太陽光パネルの分野において、事業開始当初の太陽電池セル(発電素子)やパネルの開発、製造、販売に集中し、規模の拡大とコスト削減を両立させながら成長していくという、大手メーカー各社が採ってきた事業モデルが、市場の成熟化によって限界が生じてきたためだ。

 その次の事業モデルとして、太陽光パネルメーカーが自ら、メガソーラーを開発・運営する取り組みが広がってきた。固定価格買取制度(FIT)が始まっているなど、太陽光発電の事業性の高い国や地域において、大手メーカー各社が注力している。

 パネルの販売先に自社グループが開発するメガソーラーが加わるといったパネルの製造・販売事業への利点に加えて、売電収入を得る、あるいは、開発した発電所の売却、売却後のO&M(運用・保守)という、新たな収益基盤を確保しつつ、太陽光発電の川上から川下まで事業を多様化することによる相乗効果も狙っている。

 最も積極的に手掛けている大手の1社がトリナ・ソーラーで、世界で合計出力約2GWの太陽光発電プロジェクトの開発実績がある。中国や英国などで開発を先行し、日本でも2014年以降、開発を加速させている。最近では、メキシコで大規模なプロジェクトも手がけている。