4万軒に280MWの「住宅メガソーラー」

 「フリーソーラープロジェクト」では、設置した太陽光の電力(自家消費・余剰分)を2017年度の住宅用買取価格(30円/kWh・出力制御地域)で買い取る。

 7.25kWの太陽光の場合、設置費用は約230万円で、売電収入でこれを賄うのに平均的に8年4カ月かかるため、この期間後に太陽光設備は住人に譲渡される。中国製パネルの採用で設備原価を抑えるなど、投資資金のIRR(内部収益率)は7.3%になるという。

 同社では、このプロジェクトによって、約4万世帯に出力約280MW分の太陽光を設置する目標を掲げている。その場合、投資金額は約600億円になる。

 松山市と岡山市を中心に約30社の代理店も含め、月に約50軒の設置住宅を確保できており、並行して投資企業を募っている。「4万軒・280MW」という目標は、順調な契約数を背景に上方修正したものだ。「太陽光を付けたくても、初期負担の大きさから諦める消費者は多い。発電量で決済する仕組みで、こうしたニーズを掘り起こせる」。木村社長は、目標達成に十分な手応えを感じている。

●設備の概要
発電所名DSメガソーラー モンチッチ海岸発電所
住所愛媛県松山市下難波甲32
発電事業者デンカシンキ
土地所有者デンカシンキ
設置面積2万3705m2
出力1.285MW(連系出力1.25MW)
年間予想発電量143万kWh
EPC(設計・調達・施工)サービス藤崎電機
O&M(運用・保守)デンカシンキ
太陽光パネルハンファQセルズ(255W/枚・5040枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)
基礎・架台オーストラリアのクリーンエナジー(アルミニウム製)
売電開始日2013年3月1日
売電価格40円/kWh