千葉県茂原市は、日本最大の天然ガスの産出地として知られる。三井化学の茂原分工場は、同市のほぼ中央に位置する。45万m2もの広大な敷地では、かつて地元産の天然ガスを使い、尿素など肥料の原料を製造していた。現在では、接着剤や塗料の原料など、高付加価値製品にシフトしている。加えて、2014年以降、天然ガス同様、地元産のエネルギーである太陽光発電が稼働している。

 工場正門を入ると、右手には出力3.2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が見える。三井物産などが企画したファンドに組み込まれた発電所で、三井化学は土地を貸している形になる。さらに奥に進むと、茶色のフェンスに囲まれた中規模の太陽光発電所に行き着く。こちらは、三井化学が建設した「三井化学茂原太陽光発電所」だ(図1)。同社が発電事業の主体となり、O&M(運営・保守)まで手掛けている。

図1●三井化学が建設した「三井化学茂原太陽光発電所」(出所:日経BP社)
図1●三井化学が建設した「三井化学茂原太陽光発電所」(出所:日経BP社)
[画像のクリックで拡大表示]

 多結晶シリコン型(720枚)とCIS化合物型(960枚)の2種類の太陽光パネルを設置角10度で設置している。出力は335kWになる。多結晶シリコン型はインリー・グリーンエナジー製、CIS化合物型はソーラーフロンティア製。パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製だ。