治具とGPSで位置決めを効率化

 現在、稼働中のメガソーラーで国内最大規模となるのは、ユーラスエナジーホールディングス(東京都港区)が、青森県六ケ所村に建設した「ユーラス六ヶ所ソーラーパーク」。太陽光パネルの設置容量は出力148MWで、2015年10月に営業運転を始めた。EPC(設計・調達・施工)サービスは、清水建設が担当した。

 実は、「瀬戸内Kirei太陽光発電所」でも、EPCサービスを担う東洋エンジニアリングの下で、清水建設が土木工事を担当している。そこで、六ケ所村の巨大メガソーラーの建設で蓄積した施工ノウハウを瀬戸内市の230MWのサイトにも生かしている。

 巨大メガソーラーでは、広大な敷地に、いかに速くかつ正確に基礎を設置していくかが、工期を達成するポイントになる。六ケ所村のサイトでは、基礎の位置を決めるのに、GPS(全地球測位網)と独自の治具を使った。GPS距離測定器を使って、治具を置く位置を正確に決めると、複数の杭の位置が同時に決まるという方式だ。

 瀬戸内市のサイトでは、置き基礎の場合は3つ、杭基礎では前後6本で、1つのアレイを構成する。そこで、GPSで治具2カ所の設置座標を合わせて位置を決めることで、1アレイ分の杭6本を打ち込む位置を同時に確定させている(図5)。

図5●杭基礎6本で1アレイを構成(出所:日経BP)
図5●杭基礎6本で1アレイを構成(出所:日経BP)
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