EPCは東芝プラント、パネルは東芝、PCSはTMEIC

 神奈川中央交通がメガソーラーを開発するにあたって、グループ内に活用できる知見もあった。一つは、造成や建設だった。バスの拠点や不動産の開発を手がけてきたことが生きた。

 もう一つは、グループ内の商事会社が、住宅用などの太陽光発電システムを取り扱っていたことだった。バスの拠点内にある整備工場の屋根上に設置した例もあった。これらの知見は、開発計画の立案時や、EPC(設計・調達・施工)サービス事業者の選定時などに役立ったという。

 4社のEPCサービス事業者から、提案を募った。その中から、主に実績や費用対効果の面で優れていた、東芝プラントシステムの案を選んだ。

 この選定にあたり、神奈川中央交通からは一定の事業性などのほかに、主に二つの条件を満たすように求めていた。

 一つは、太陽光パネルとパワーコンディショナー(PCS)は、国内メーカー製とすることだった。20年間使う中での、維持やメンテナンスを重視して求めた条件だった(図2)。

図2●主要な発電設備は国内メーカー製に拘る
図2●主要な発電設備は国内メーカー製に拘る
撮影時は、電気保安管理業務を担当する東北電気保安協会が、インターンシップの参加者を案内していた(出所:日経BP)
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 東芝プラントシステムの提案を受け、太陽光パネルは東芝製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 もう一つは、遠隔監視システムを導入することだった。監視カメラも含む。自社では近隣に拠点がないため、電気保安管理業務も含めて、日常的な運用に関連する業務は外部への委託を計画していたことによる。

 神奈川の拠点にいながら、発電の状況だけでなく、現地の積雪の様子や、雑草の伸び具合などを確認している。防犯にも寄与するとしている。