大雨時にはパネル設置エリアを「貯水池」に
メガソーラーの外周には、堤が設けられている(図5)。大雨などの際、メガソーラーの敷地内に水を貯めることで、敷地外への過剰な水の流出を、一時的に防ぐためである。
敷地は、西から東に向けて、緩く下っている。高低差は約1mとなっている。
最も低い東端に、敷地外の排水路への吐出口を設けているが(図6)、急激に排出しないように、吐出口を細くしている。
このため、大雨の際には、敷地の東側から、一時的に水が溜まっていく。外周の堤の上部まで水が達した場合でも、最も低い東端の太陽光パネルが浸水しないように配置した。基礎や架台の一部は、水に浸かる。
PCSは、昇圧変圧器と同じ屋外設置用筐体に収めた機種を採用した。この昇圧変圧器一体型のPCSは、外周の堤の最上部まで水が達した場合でも、水が溜まらない場所に配置した(図7)。
敷地の東西方向の中央より少し西側の位置となる。この位置に配置したのは、水に浸からず、かつ、メガソーラー全体の送電ロスを最小化できるためである。
例えば、敷地の西端にすべてのPCSを配置すると、最も高い位置のために、浸水時の安全性はさらに増すが、距離が遠い接続箱が多くなることから、発電所全体での直流の送電ロスが大きくなる。
雨水が最大に溜まった時でも浸水しない場所で、かつ、できるだけ敷地の中央付近に近い場所に置くことで、安全性を確保するとともに、直流の送電ロスを減らした。