水利組合がメガソーラーの調整池を管理
敷地外の流路からは、当面、農業用のため池には水を流さずに運用していく。
この流路の終端にも、沈殿槽が設けられている。この沈殿槽が一定以上の水位に達すると、ポンプを使って上澄みの水をくみ上げて、農業用ため池より下流にある川に流す(図7)。こうした仕組みによって、メガソーラーの敷地からの排水を直接、ため池に流さない。
敷地外の流路から、ポンプを使って川に流す運用は、約2年間をめどとした一時的なものという。この間に、敷地外の流路の段階で、土砂が混ざっていない水だけを排出できることを確認し、その後は、敷地外の流路から農業用のため池に流す運用に切り替える予定となっている。
こうした排水対策は、地域の水利組合と協議を重ねて、決めていったものだ。
2段階目となる、敷地南側中央の大きな調整池(図8)は、地域の水利組合に管理を委託している。農業用ため池の管理に関連する施設となるためで、委託費による経済的な利点もある。
このため、調整池には、メガソーラーの敷地外からも入れる通路を設けた。この通路から調整池に入った場合は、太陽光発電設備のある区域とはフェンスで隔てられており、発電設備に近づけないように安全を確保している。
また、この調整池には、コンクリート製のスロープや階段、手すり、照明などを設け、管理の作業性を高めた。監視カメラも備えており、その画像は水利組合も見ることができ、水位などを確認できる。
このようにして、水利組合と一緒に農業用ため池の水質を守る仕組みを整えた。
自営線の管理でも、地域と一体となった取り組みを目指している。連系する中国電力の特別高圧送電線まで、電柱を使って約3kmの自営線を敷設した。
電柱の周囲2mは定期的に草刈りする。この草刈りも地元に委託している。
このほか、地域の祭りに資金を提供するなど、さまざまな角度から地域の活性化に寄与したいとしている。