山梨県上野原市の山あいに、出力約3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)がある(図1)。液晶パネルや太陽光パネルの製造装置メーカーとして知られる三星ダイヤモンド工業(大阪府摂津市)と日鉄住金物産による合弁会社「MDI-SBソーラー」(大阪府大阪市)が開発・運営している。

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図1●山梨県上野原市にある出力約3MWのメガソーラー
図1●山梨県上野原市にある出力約3MWのメガソーラー
三星ダイヤモンド工業と日鉄住金物産の合弁会社であるMDI-SBソーラーが開発・運営(出所:上はMDI-SBソーラー、下は日経BP)
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 三星ダイヤモンド工業は、ダイヤモンド製のガラス切断具を祖業とする。液晶パネル向けのガラス基板切断装置で飛躍し、液晶パネル市場の成長とともに規模を拡大してきた。近年は、薄膜系太陽電池セル(発電素子)の製造装置も手掛けている。薄膜の成膜以外のほぼすべての製造プロセスに装置を供給している(関連ニュース: TMEIC、中国の太陽光パネル工場向けに電極接合装置を受注)。

 日鉄住金物産は、住金物産と日鐵商事が2013年10月に統合する以前、住金物産が1980年代後半以降、タイで工業団地を運営し、そこで必要になる電力を供給するため、工業団地と住金物産、関西電力の3社による合弁企業を設立し、火力発電所を運用してきた。

 タイの合弁企業はその後、タイ国内でメガソーラーも開発・運営している。

 日鉄住金物産はまた、マレーシアでも現地企業との合弁で、固定価格買取制度(FIT)に基づく太陽光発電事業の経験を積んできた。日本でもFITを活用し、取引先の自動車部品のエクセディ(大阪府寝屋川市)と合弁で、兵庫県丹波市に出力約1.75MWのメガソーラーを開発・運営している。

 三星ダイヤモンド工業も、日鉄住金物産の取引先である。三星ダイヤモンド工業製のガラス切断装置を販売している。

 上野原の出力約3MWを運営する三星ダイヤモンド工業と日鉄住金物産による合弁会社・MDI-SBソーラーでは、群馬県館林市で出力2MWの太陽光発電所も開発・運営している。