1基3.3MWの巨大風車が稼働

 北九州市若松区の響灘地区は、同市沿岸に位置する約2000haの広大な埋立地。リサイクル関連などの工場のほか、風力発電やメガソーラー(大規模太陽光発電所)、バイオマス発電施設が立地し、「環境未来都市」を目指す北九州市の戦略的なエリアとなっている。

 北九州の中心部から同地区へはクルマで30分ほど。高速道路を走って若戸トンネルを抜け、495号線を右に折れて橋を渡ると、右側には一面に太陽光パネルが整然と並ぶ。左側には響灘の水平線をバックに巨大な2基の風車が悠然と回る。定格出力は1基だけで3.3MWに達する。現時点で、国内で稼働する商用風力発電設備としては最大規模になる。

 ブレード(羽根)の回転直径は112mで、タワーは86m、地上からブレードの最高点までは140mに達する。響灘地区には、海岸沿いに1.5MWの大型風車が10基、林立している。遠近差を加味しても、2倍以上の出力をもつ2基の風車の巨大さが実感できる(図1)。

図1●響灘地区の橋を渡ると左側に3.3MWの大型風車が見える
図1●響灘地区の橋を渡ると左側に3.3MWの大型風車が見える
(出所:日経BP)
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 この2基の風車は、ジャパン・リニューアブル・エナジー(東京都港区、以下JRE)と北拓(北海道旭川市)によるハイブリッド型発電所「響灘ウインドエナジーリサーチパーク」の一部になる。JREは、メガソーラーを中心に再生可能エネルギーの開発規模で国内トップクラスの実績がある。また、北拓は、風力発電設備のメンテナンスで国内有数の実績を持つ。同発電所は、両社出資の「響灘ウインドエナジーリサーチパーク合同会社」が発電事業の主体となっている。