水力発電の運転制御を活用、PCSは遠隔制御

 メガソーラーの運用では、水力発電などで培った運用の手法も活用している。例えば、運転制御室の活用がある(図8)。発電や稼働の状況などを、監視カメラの動画も含めて遠隔監視するとともに、電気主任技術者の資格を持つ職員が在勤していることから、電気保安管理業務まで一貫して担える。

図8●水力発電向けに開発した運転制御室を活用
図8●水力発電向けに開発した運転制御室を活用
PCSはここから遠隔制御できる(出所:日経BP)
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 運転制御室からメガソーラーのPCSを遠隔制御できるようにした。落雷などで電力網の停電により、PCSの安全機能が働き、稼働を停止した場合には、現地に出向くことなく安全を確認した上、四国電力の了承を得て、遠隔制御によって、PCSを再稼働している。

●発電所の概要
発電所名マリンピア沖洲太陽光発電所
所在地 徳島県徳島市東沖洲1丁目23番地
敷地面積2万7093m2
発電事業者徳島県 企業局
出力 2MW
年間発電量238万9000kWh(一般家庭660世帯の消費電力に相当)
施工費6億3000万円
EPC(設計・調達・施工)サービス藤崎電機(阿南市辰己町)
太陽光パネルパナソニック製(240W/枚・8784枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(500kW機・4台)
O&M(運用・保守)徳島県 企業局
運転開始日2013年4月24日
売電価格40円/kWh(税抜き)
売電先四国電力
●発電所の概要
発電所名和田島太陽光発電所
所在地 徳島県小松島市和田島町字松田新田165-21
敷地面積2万8892m2
発電事業者徳島県 企業局
出力 2MW
年間発電量241万8000kWh(一般家庭670世帯の消費電力に相当)
施工費6億7725万円
EPCサービス田村電設(吉野川市山川町)
太陽光パネルシャープ製(245W/枚・8652枚)
PCSTMEIC製(売電用:500kW機・4台、非常用:100kW機・2台)
O&M徳島県 企業局
運転開始日2013年10月29日
売電価格40円/kWh(税抜き)
売電先四国電力
■変更履歴
公開当初、「敷地外に非常用のPCSを配置した」と記述していましたが、非常用のPCSは敷地内に設置しており、敷地外に設置しているのは、非常用の分電盤やコンセントのみの誤りです。また、電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド車の活用とともに、「V2H(EVから住宅への給電システム)」を活用すると記述していましたが、V2Hは活用していません。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/02/21 16:18]