地盤沈下に備えた基礎

 災害時に自立型PCSに送電する出力200kW分の太陽光パネルは、他のパネルよりも、約2m高い場所に設置した(図5)。津波による被害を受けにくくする狙いがある。

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図5●約2mかさ上げした場所に設置したパネル
図5●約2mかさ上げした場所に設置したパネル
津波による被害を受けにくくした。H鋼を支柱にして築いた(出所:日経BP)
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 周辺より約2mかさ上げしたステージのような場所を作り、そこにパネルを並べた。通常時に使う売電用のPCSの一部や連系設備なども、ここに設置している。

 このかさ上げ部は、H鋼を打ち込んで支柱とし、壁を築くという手法により、石や土砂が流失しにくいように形成した。

 約2mかさ上げした場所の隣には、さらに3m高い約5mの展望台も設けた(図6)。メガソーラーの見学に利用してもらうことに加え、災害時の状況確認や避難などに活用することも想定している。

図6●堅牢で広い展望台
図6●堅牢で広い展望台
見学だけでなく、災害時の状況確認などに活用することも想定(出所:日経BP)
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 また、埋立地ということもあり、地盤沈下の影響を受けにくいコンクリート基礎を採用した(図7)。

図7●口字型のコンクリート基礎
図7●口字型のコンクリート基礎
地盤沈下に対応(出所:日経BP)
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 口字型の形状で、アレイ(太陽光パネルを架台に設置する単位)の東西方向と外周部の南北方向の下部は、すべてこのコンクリート基礎でカバーしている。極端に地盤が沈下した場所が出てきても、その上にある一部の基礎や架台、パネルが大きく沈み込んだり、それによってパネル間の配線が外れたりすることを防ぐ。

 もし、傾いた場合でも、アレイ全体が傾くため、地盤沈下による不具合を防ぎやすい。