アレイの下も乗用型草刈機が走る
除草では、主に乗用型草刈機を使っている(図3)。ゴーカートのような小型の4輪車に乗って、敷地内を運転して回ることで、椅子の下にある回転刃が、雑草を刈り込んでいく。
草刈機(刈払機)を持ちながら歩き回って刈る作業に比べ、身体的な負担を軽減できるだけでなく、面積あたりの除草時間も短いことから、草刈りを効率化できる。
フェンスや基礎の際など、乗用型では刈れない場所のみ、従来の草刈機を使う。
乗用型草刈機を使うのは、アレイ(太陽光パネルを架台に設置する単位)の前後だけではない。アレイ下の深い部分まで、乗用型草刈機を走らせる(図4)。乗用型を使うメガソーラーは増えてきているが、アレイの下まで走らせる発電所は珍しい。
首や身体を大きく倒し、パネルや架台にぶつからないようにしながら、アレイ下の雑草を刈っていく。こうした使い方は、果樹園ではよく見られる。
アレイの下まで乗用型草刈機が走れるのは、コンクリート基礎と鉄製架台の設計による。
パネルの低部側と高部側に築いた、凸型のコンクリート基礎以外には、乗用型草刈機の走行を妨げない構造にした。アレイの下でも、東西方向に長い距離を走れる。
凸型のコンクリート基礎は、パネル直下まで伸びている(図5)。架台は最小限で、南北方向に傾けた垂木(パネルを直接支える部材)と、東西方向のレール状の桁材だけである。筋交いなど、乗用型草刈機の走行を阻害する構造部材がない。
送電ケーブルは、一部をラックに収めて地上に敷設している以外は、基本的に地中に埋設している。
こうした基礎や架台、送電ケーブルの敷設方法は、長期信頼性を向上させる本来の目的に加え、乗用型草刈機が走行しやすいなど、保守性の向上にもつながっている(図6)。