三井金属鉱業は、半導体パッケージの1種、パネルレベルのFanOutパッケージに向けた微細回路形成用材料「HRDP(High Resolution De-bondable Panel)」を開発した(図1、ニュースリリース)。ガラス基板(キャリア)の表面上にシード層用のCu薄膜を含む多層薄膜を形成したもの。500mm×500mmのHDRPを利用して、配線幅/配線間隔=2μm/2μmの再配線層を実現できることを確認した。2019年からサーバーなどのネットワーク用途向けに少数量産の製品での採用を見込み、最終的にはスマートフォン向けのアプリケーションプロセッサー(AP)の半導体パッケージや、複数チップを搭載するシステムインパッケージ(SiP)への採用を目指す。当初は10万m2/月の生産量を予定する。2020~2021年に本格量産に入る予定。

図1 三井金属鉱業が開発した「HRDP(High Resolution De-bondable Panel)」
図1 三井金属鉱業が開発した「HRDP(High Resolution De-bondable Panel)」
左が回路形成前のHRDP、右が回路形成後。1層目だけではなく2層目でも配線幅/配線間隔=2μm/2μmを実現している。なおガラスキャリアは使い捨てだという。
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 Fan Outパッケージには主に2つの工法がある。1つは、台湾TSMCが開発製造しiPhoneが採用する「InFO」などで利用される方法で、キャリアの上に最初にチップを配置して封止した後、再配線層(Re-Distribution Layer:RDL)を形成する「Chip 1st工法」。もう1つは、最初にRDLを形成する「RDL 1st」工法だ。開発したHRDPは、後者のRDL 1st工法に向ける。