スポーツ界ではここ10年でアスリートのパフォーマンス可視化が一気に普及したが、同じように体を使って演奏する音楽界ではその取り組みは遅れている。ここにきて、スポーツ界と同様、科学的なアプローチでパフォーマンスの向上を目指す取り組みが始まった。(日経 xTECH)
桜美林大学は2019年3月1日、筋肉の活動や心拍数などの身体データを測定しながら演奏するホルンコンクールを東京都町田市で開催した。科学的なアプローチにより、演奏者の身体的・心理的状態とパフォーマンスとの関係を検討することを目指している。
コンクールに参加したのは、大学生や大学の卒業生など12人。各種の計測装置を体や楽器に装着した状態で演奏した。計測したデータは「唇まわり、腕、肩、足の筋肉の動き」「心拍」「マウスピースにかかる力」「楽器の音」「口腔(こうくう)内の乾燥度」である。参加者は椅子に座った状態で、5曲の課題曲を演奏した。