環境に悪いというイメージから、日本ではほとんど姿を消したディーゼル乗用車。 そうした状況がこの秋から変わる。日産、三菱がクリーンディーゼル搭載の乗用車を相次いで商品化するほか、2009年にはホンダも商品化する計画だ。 ただし、消費者の関心はいま一つ。ガソリン車に比べて価格が大幅に上昇するのもネックだ。 本格的な復活には、消費者の認知度を高めるとともに、コストを低減する努力が必要になる。

 国産車では国内市場から姿を消していたディーゼル乗用車に復活の兆しが見えてきた。日産自動車は、日本の「ポスト新長期規制」を達成した初めてのディーゼル乗用車「エクストレイル20 GT」を9月18日から発売すると発表した(図1)。日産自動車に次いで、三菱自動車も、現行の新長期規制に適合するディーゼルエンジンを搭載した「パジェロ」をこの秋に発売する(図2)。ホンダも2009年に日本でクリーンディーゼルを搭載した乗用車を発売することを表明しており、車種は「CR-V」が有力視されている。海外メーカーではドイツAudi社がポスト新長期規制に適合したディーゼルエンジン搭載の「Q7」を、2010年から日本に導入する。

図1 日産自動車の「エクストレイル20GT」
図1 日産自動車の「エクストレイル20GT」
2008年9月に発売した。日本の「ポスト新長期規制」に初めて適合した。
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図2 三菱自動車の「パジェロ」(欧州仕様)
図2 三菱自動車の「パジェロ」(欧州仕様)
欧州仕様に用意している3.2Lのディーゼルエンジン搭載車を、国内にも投入すると見られる。
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