日本のスポーツ市場は今、大きな変革期を迎えている。巨大スポーツイベントの相次ぐ開催を控えてスポーツ熱が高まるなか、政府がスポーツの普及による国民の健康促進の支援を強化。時を同じくして、スマートフォンをはじめとする最新テクノロジーが各種スポーツに導入され始めており、スポーツビジネスの世界でさまざまなイノベーションが起きている。ITやエレクトロニクス企業などによる新規参入は引きを切らない。このコラムでは、スポーツビジネスに携わるキーパーソンの声を中心に、「スポーツとイノベーション」について考えていく。
スポーツとイノベーション
目次
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スポーツで地域活性、成功に導くビジネスベースの視点
「スポーツビジネス創造塾 第3期」報告:講演編(その3)
国内で続くメガスポーツイベント開催を控え、スポーツを街の活性化につなげようとする地域は多い。だが、単に過去の事例を焼き直したり、他の地域を模倣したりしただけではなかなかうまくはいかない。では「スポーツ×まちづくり」を成功に導くために必要なものは何なのか。
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スポーツ界で「ソフトバンクの群戦略」、スポーツXが目指す未来
スポーツX・小山淳社長インタビュー(後編)
「クラブ経営をフルパッケージで提供する」という、世界でも類を見ない事業に取り組むスポーツX。これまで、J3の藤枝MYFC(現在は地元企業に経営権を譲渡している)や、将来のJリーグ入りを目指す「おこしやす京都AC」などのクラブ経営に携わった実績を持つ企業だ。同社は今後、日本だけではなく世界中をフィー…
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スポーツ界に新風、プロクラブの多店舗展開目指す“謎の会社”
スポーツX・小山淳社長インタビュー(前編)
2019年4月9日、東南アジアのミャンマー最大の都市ヤンゴンで、日本のスポーツビジネス界では“前代未聞”とも言える記者会見が開催された。スポーツXという日本企業が、ミャンマーのプロリーグであるミャンマーナショナルリーグ(MNL)と、国内の選手育成と代表チームの強化を目指す「ミャンマージャパンフット…
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若者ファンを取り込め、高齢化に悩むMLB「時短」への挑戦
連日、熱戦が繰り広げられている米メジャーリーグ(MLB)だが、今年、そのルールには多くの変更が加えられている。これはMLBとMLB選手会(MLB)が現地時間2019年3月14日に、今シーズンと来シーズンのルール変更に合意したことによって導入されたものだ。
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健康寿命を予測 アシックス、運動データ武器に健康増進プログラム
「総合判定B:わずかに基準範囲を外れていますが、日常生活に差し支えありません」。 これは筆者が2018年秋に受けた定期健康診断の判定結果だ。一部の数値が基準値を超えたものの、特に問題があるわけではないらしい。本人は「健康である」と信じているが、本当に何も問題がないのか・・・。
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1試合で2万人のファンの声収集、“49ers流”体験価値向上策
Sport Innovation Summit 2018 Tokyo報告(4)
スポーツイベントでは、ファンに非日常的かつ良質な体験を提供し、その満足度を高めることが重要だ。昨今、多くのプロスポーツクラブがテクノロジーを活用して良質な体験価値の創造に挑んでいるが、中でも注目を集めているのが米プロアメリカンフットボールNFLのサンフランシスコ49ers(以下、49ers)の取り…
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求む「構造改革できる人材」、慶應SDMがスポーツ経営人材育成に取り組むワケ
「KEIO SDM Sports X Leaders Program2018」最終報告会レポート
現代社会における様々な課題を「システム」の観点から読み解き、その解決方法を編み出すために研究をしている慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科(以下、慶應SDM)。
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理念の中枢は「日本サッカーの欧州拠点化」、ベルギーのシント=トロイデンVV
STVV CEOの立石敬之氏インタビュー
2017年11月に日本の大手IT企業であるDMM.comが買収したベルギー1部のサッカークラブ「シント=トロイデンVV(以下、STVV)」。日本代表にも選出されている冨安健洋選手や遠藤航選手など6名の日本人選手を擁し(2019年2月時点)、今、日本で最も注目されている欧州サッカークラブと言っても過…
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目指すは「社会課題解決の実験場」、FCバルセロナのオープンイノベーション戦略
サッカー史に名を刻む名選手、リオネル・メッシを擁するスペインのFCバルセロナ。世界最高峰のこのクラブが今、オープンイノベーションに力を入れている。約2年前に「Barca Innovation Hub」を立ち上げ、外部の企業や大学などとテクノロジーの分野で共同開発などを進めている。なぜ、サッカークラ…
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スポンサーシップとは? コカ・コーラが説く本当の意義
「スポーツビジネス創造塾 第3期」報告:講演編(その2)
2019年から2021年までメガスポーツイベントが続く日本。多くのスポーツ組織やスポーツ関連企業にとってこの3年間はチャンスの時期だ。それは、普段はスポーツをビジネスの中心に置いていない企業にとっても同様である。そうした企業がスポーツを活用するにはいくつかの方法があるが、かねて主流といえるのが「スポ…
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異業種連携とテクノロジーはスポーツの何を変えるのか
「スポーツビジネス創造塾 第3期」報告:講演編(その1)
2025年までに国内のスポーツ産業の市場規模を、現在の5.5兆円から3倍近い15.2兆円に拡大することを目指す日本。この目標を実現するには、これまでスポーツとは縁遠かった他の産業の企業や人材がスポーツ産業に集まってくることが欠かせない。2018年10月に開催された「スポーツビジネス創造塾 第3期」で…
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沖縄初のJ2クラブ・FC琉球、躍進の背景に「経営立て直し」
FC琉球代表取締役社長 倉林啓士郎氏インタビュー
沖縄県で初のJリーグチームとなるべく2002年に創設されたFC琉球。2014年からJ3に参入して当初の目標は果たしたが、運営母体となる琉球フットボールクラブ株式会社は資金難が続き、2015年8月からの約1年半で3度の社長交代が起こるなど、順調とは言い難い道のりを歩んでいた。
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他競技団体との連携が改革のカギ、元貴乃花親方
日本相撲界のイノベーション(下)
15歳での弟子入りから横綱にまで上り詰め、親方時代を含めて約30年在籍した角界を、2018年9月に“引退”した元貴乃花親方こと花田光司氏。同氏は2018年12月、東京大学大学院で「日本相撲界のイノベーション」をテーマに、大学院生に講義をしていた。
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セカンドキャリアに人材育成、元貴乃花親方が考える相撲界改革
日本相撲界のイノベーション(上)
身長185cmのスーツ姿の男性がマイクテストで、にこやかに話し出すと緊張した面持ちの大学院生たちの表情が一気に和んだ。2018年12月、場所は東京大学大学院の教室。同年9月に“引退”してからもなお世間の注目を浴び、メディアをにぎわすこともあるが、実際に会うと人を惹きつけてやまないその男性。それが元…
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成長は海外にあり、ラ・リーガは日本から何を学ぶのか
FCバルセロナやレアル・マドリードといった世界的な名門クラブを擁する、世界4大サッカーリーグの一つ、スペインの「ラ・リーガ(LaLiga、リーガ・エスパニョーラ)」。誕生から90年の歴史を持ち、世界中にファンを持つこのリーグは今、新たな成長機会を求めて最新テクノロジーを活用したイノベーションに積極…
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フェンシングのビジネス化、鍵握る「第4の新種目」
マイナースポーツの挑戦(下)
日本人初のフェンシング競技の五輪メダリストである太田雄貴氏が会長を務める日本フェンシング協会。同協会は2018年10月4日から10月31日まで、組織基盤の強化のために、転職サイト「ビズリーチ」で副業・兼業限定の戦略プロデューサーを公募。1127名もの応募の中から4名のビジネスのプロ人材を採用した。
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閑古鳥から完売へ、フェンシング太田雄貴会長の大改革
マイナースポーツの挑戦(上)
日本人初のフェンシング競技の五輪メダリストで、現在は日本フェンシング協会会長の太田雄貴氏が、“マイナースポーツ”のビジネス化に向けて大胆な挑戦を続けている。
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1日で3兆円売ったアリババはなぜスポーツに注力するのか
2018年11月11日。中国で「独身の日」と呼ばれるこの日は、毎年、電子商取引(EC)サイトで大々的なセールが行われる。今年で10回目を迎えた独身の日、中国最大のECサイトを運営するアリババ集団(阿里巴巴)は、1日で2135億元(1元=16円で3兆4000億円)の売上を記録した。この数字は、日本企…
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中国は競技人口3.5億人へ、日本の先行く世界のeスポーツ
Sport Innovation Summit 2018 Tokyo報告(3)
「eスポーツ元年」。2018年は、日本でもeスポーツの注目度が一気に高まった年と言える。2月にはそれまで3つに分かれていた業界団体を統一した「日本eスポーツ連合(JeSU)」が発足。9月にインドネシア・ジャカルタで開催されたアジア競技大会では初めて公開競技に選ばれ、日本人選手が優勝したことでも話題…
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湘南を元気に RIZAP、ベルマーレ起点の「健康街づくり」
2018年4月にサッカーJリーグのJ1に所属する湘南ベルマーレの経営権を取得し、スポーツビジネスに本格的に参入したRIZAP。2019年1月にはアスリートを強化・育成するトレーニング・研究施設「RIZAP Lab(ライザップラボ)」を神奈川県平塚市にオープンするなど、これまで「ボディメイク」で培った…