本コラムの第1回「今、なぜCXなのか? 顧客経験価値(CX)の重要性」では、なぜ今、CXが注目を集めているのかについて触れた。これまで企業は商品やサービスそのものが有する機能や価格の優位性により他社との差異化を図っていたが、市場環境の変化などに伴い従来の訴求方法だけでは通用しなくなった。そこで注目され始めたのが、顧客が商品を購入する前から購入、使用に至るまでの一連の「経験」によりもたらされる価値で訴求するCXという概念だ。

筆者が作成
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 筆者は、CXの向上において重要なポイントは3つあると理解している。すなわち、(1)感情面の訴求、(2)価値共創、(3)フィードバックの受容、である。

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 今回はこれら3つのポイントのうち、(1)の感情面の訴求について国内外の企業が取り組んでいるCXの事例を紹介したい。