日経デジタルヘルスは2018年5月11日、医療界や行政、産業界など、さまざまなキーパーソンが参加する座談会「働き方改革が切り拓く、ソーシャルホスピタル実現への処方箋」(座長:京都大学医学部附属病院 医療情報企画部⻑ 病院⻑補佐 教授の⿊⽥知宏氏、特別協力:日本マイクロソフト)を東京都内で開催した。今回は、全3回の座談会の第1回。14人のパネリストが活発な議論を交わした。

2018年の座談会がスタート(写真:加藤康、以下同)
2018年の座談会がスタート(写真:加藤康、以下同)
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 この座談会は、2017年に実施した「情報化が切り拓く、ソーシャルホスピタル実現への処方箋」の続編となる。前回の座談会では、医療のあるべき未来像と現在のギャップをICTなどを活用しながらどう埋めていくべきかについて議論し、医療従事者間あるいは医療従事者と患者(生活者)の「情報共有」や「役割の再定義」の必要性が焦点となった(関連記事)

 今回は、この議論をさらに追求し、医師および医療従事者間の業務そのものをどう共有・分担していくべきなのか、つまり「働き方改革」に焦点を当てた。昨今、医療従事者の働き方改革についてはさまざまな議論や検討が進んでいる。今回の座談会では、そうした流れを汲みつつも、ソーシャルホスピタル(社会全体で医療を担う世界)の考え方やツールとしてのICT活用などの視点を交えた医療従事者の働き方改革と、これからの医療の未来像を、全3回で議論する。

「タスクシェアリングの推進」と「ICTの活用」

座長を務めた京都大学医学部附属病院の⿊⽥氏
座長を務めた京都大学医学部附属病院の⿊⽥氏
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 第1回の今回は、各パネリストから集約した事前意見でさまざまな声が挙がった「タスクシェアリングの推進」と「ICTの活用」に主な論点を絞ることを共有し、座長を務める京都大学医学部附属病院の⿊⽥氏の進行の下、議論を開始した。

 本連載では、各パネリストの発言を順次、お伝えしていく。なお、今回参加したパネリストは次の通りである。

・厚⽣労働省 医政局医事課⻑ 武井貞治⽒
・経済産業省 商務情報政策局 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課⻑ ⻄川和⾒⽒
・内閣官房 健康・医療戦略室 参事官 岡本利久⽒
・総務省 情報流通⾏政局 情報流通⾼度化推進室⻑ 渋⾕闘志彦⽒
・医療法⼈社団鉄祐会 理事⻑ 武藤真祐氏
・隠岐広域連合⽴ 隠岐島前病院 院⻑ ⽩⽯吉彦氏
・聖路加国際病院 乳腺外科部⻑・ブレストセンター⻑ ⼭内英⼦氏
・医療法⼈ゆうの森 理事⻑ 永井康徳氏
・医療法⼈恒貴会 訪問看護ステーション愛美園 所⻑ 中島由美⼦氏
・東京⼥⼦医科⼤学東医療センター 救急医療科 救命救急センター 医師 ⾚星昂⼰氏
・ハイズ 代表取締役社⻑ 医師 裴英洙氏
・⽇本調剤 専務取締役 三津原庸介⽒
・⽇本マイクロソフト 医療・製薬営業統括本部 遠⼭仁啓⽒
・⽇本マイクロソフト 医療・製薬営業統括本部 清⽔教弘⽒

各パネリストの発言は順次、お伝えしていく
各パネリストの発言は順次、お伝えしていく
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