東電管内も余裕がなくなる

 以下、各電力会社の管内別に太陽光を中心に再エネの状況を概観する。

<北海道電力>
 北海道電力は、1170MWが「30日等出力制御枠(接続可能量)」であると発表しているが、接続済みの再エネ容量が、いま現在、それを超える見込みだ。「無制限・無補償の抑制」を前提とした接続であるにも関わらず、系統接続申し込みがまだ1000MW程度も残っており、土地の面積や天候に恵まれた北海道は人気エリアとなっている。その意味で、これから北海道エリアで再エネを新たに開発することは極めて難しいといえる。

<東北電力>
 東北電力は、5520MWが接続可能量であるが、接続済みの再エネ容量は3000MWとなっている。まだ余裕があるように見えるが、無制限・無補償の抑制を前提とした接続承諾容量が6000MWを超えるため、これから申し込みをしても東北電力管内では再エネ導入が難しい状況といえる。

<東京電力>
 東京電力は、接続可能量が明確になっていないが、2万MW(20GW)前後であると推定される。接続済みの発電容量は8500MW、接続申し込み済みの容量で1万MW(10GW)程度があるため、容量に余裕があるとは言えなくなってきている。30日ルール下での接続条件を獲得するためには、急いだ方が良さそうだ。

<中部電力>
 中部電力は、1万MW(10GW)程度が接続可能量と推定される。運転開始済みの案件が約5000MW、設備認定容量が累計で約1万MWとなったことから、中部電力管内も接続可能量に近づいてきている。無制限・無補償の抑制条件への移行が近そうだ。

<関西電力>
 関西電力は1万2000MW(12GW)程度が接続可能量と推定される。運転開始済みの案件が約3600MW、設備認定容量が累計で約6600MWとなったことから、関西電力管内はまだ余裕がありそうだ。

<北陸電力>
 北陸電力は1100MW程度が接続可能量である。運転開始済みの案件が約570MW、設備認定容量が累計で約1240MWとなったことから、北陸電力管内も接続可能量を超える状況である。新規接続申し込みについては、すでに、無制限・無補償の抑制条件が付されている。

<四国電力>
 四国電力は2500MW程度が接続可能量である。運転開始済みの案件が約1700MW、設備認定容量が累計で約3200MWとなったことから、すでに接続可能量を超えている。無制限・無補償の抑制条件が付されて、接続申し込みが行われている。

<中国電力>
 中国電力は6600MW程度が接続可能量である。運転開始済みの案件が約2600MW、設備認定容量が累計で約6300MWとなったことから、中国電力管内も接続可能量に近づいてきている。

<九州電力>
 九州電力は8170MWが太陽光の接続可能量である。運転開始済みの案件が約6000MW、設備認定容量が1万6000MW(16GW)を超えており、接続可能量に一番余裕がない状況である。また、1800MWが30日ルール内の風力接続容量である。しかし、その系統への申し込みが1800MWを超え、20kW未満の風力発電についても、今後は年間720時間を上限に無制限・無補償の抑制条件となる。