「どのような罰則があるかも理解しづらい」

 日本マイクロソフト 医療市場担当の遠山仁啓氏は、Mutkoski氏の説明を補足する形で、日本における医療分野のクラウド活用の動向に触れた。クラウド活用の障壁の1つとして遠山氏が言及したのが、データの外部保存の条件を定めたいわゆる「3省4ガイドライン」である。

日本マイクロソフト 医療市場担当の遠山仁啓氏
日本マイクロソフト 医療市場担当の遠山仁啓氏
[画像のクリックで拡大表示]

 このガイドラインは「ボリュームが相当あり、医療機関にとっては読み解くのに苦労する」と遠山氏は指摘する。ガイドライン対応のセルフチェックツールも存在するが、それを読むことも大変という。違反した場合にどのようなリスクがあり、どのような罰則があるのかも理解しづらい。

 「クラウドをいち早く導入したいと考えているのは200~300床程度の医療機関。ところがそうした規模の医療機関では、医療ITの専門家を配置できていない場合もある」と遠山氏は話す。クラウドの活用を最も必要としている関係者にとって、少なくとも読み解くのに困難を伴わないガイドラインが必要といえそうだ。