米グーグル、米アップル、米エヌビディア、米インテル、中国百度(Baidu)…元々は自動車業界と縁のなかった大手IT企業が、続々と自動運転ビジネスに参入している。

 なかでも、自動運転を実現するソフトウエアやハードウエアを組み合わせたプラットフォームの開発競争がヒートアップしている。いずれのIT企業も、自社の得意分野を生かしながら様々な企業と提携・協業し、先進技術の粋を集めた「自動運転プラットフォーム」の開発を狙う。自動運転プラットフォームを構築できれば、将来性の高い自動運転の世界でのビジネス拡大が見込めるからだ。

図●IT企業は自動運転のプラットフォームの分野
図●IT企業は自動運転のプラットフォームの分野

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 これまでの自動車業界は、車台とエンジンを内製する自動車メーカーを頂点とする垂直統合モデルが支配的だった。これが自動運転の時代には、PCにおける「ウィンテル連合」のように、優れたプラットフォームを広く提供する企業が勝者となる可能性が高い。

 自動運転に取り組むIT企業のなかでも、注目すべきは自動運転プラットフォームを開発する企業だ。

表●主なIT企業の近年の取り組み
企業 主な取り組み
ウェイモ
  • 2009年 グーグル、レクサス改造車による自動運転車の走行テスト開始
  • 2015年6月 自社開発の自動運転車による公道での走行テスト開始
  • 2016年12月 グーグルの自動運転車部門をベースにウェイモ設立。FCAによるミニバン100台の提供、ホンダとの自動運転研究を発表
  • 2017年2月 ウーバーテクノロジーなど2社を機密情報持ち出しで提訴
エヌビディア
  • 2016年9月 自動運転プラットフォーム「DRIVE PX 2」発表。百度が採用を表明
  • 2016年10月 テスラモーターズがDRIVE PX 2を採用
  • 2017年1月 ボッシュ、ZFがDRIVE PX 2を採用、ヒア、ゼンリンと地図分野で提携、アウディと共同開発中の自動運転車を2020年までに実用化すると表明
インテル
  • 2016年7月 自動運転車の開発でBMW、モービルアイと提携
  • 2016年11月 自動運転車の開発でデルファイと提携
  • 2017年1月 自動運転プラットフォーム「Intel Go」発表
  • 2017年3月 自動ブレーキ大手のモービルアイを買収
ヒア
  • 2015年12月 アウディ、BMW、ダイムラーがノキアの地図事業ヒアを買収
  • 2016年12月 テンセント、ナブインフォ、GICがそれぞれ約10%を出資。モービルアイと地図サービスで提携
  • 2017年1月 インテルが15%を出資
DeNA
  • 2015年5月 ZMPと合弁で無人タクシーサービス企業を設立
  • 2016年7月 自動運転を含むAI技術でPreferred Networksと合弁会社設立
  • 2016年11月 NTTドコモと自動運転車の遠隔管制実験で協業
  • 2017年1月 ZMPと提携解消、日産自動車と提携
  • 2017年4月 ヤマト運輸とオンデマンド宅配サービスの実証実験開始、2018年めどに動運転車を導入