医療のIT化に関する都医師会の調査結果を紹介
医療のIT化に関する都医師会の調査結果を紹介
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 東京都医師会会長の尾崎治夫氏は、2018年4月29日に東京都内で開催されたイベント「CLINICSサミット2018 ~今、オンライン診療にどう取り組むべきか~」に登壇。東京都の医療ニーズを挙げ、それに応える手段としてのオンライン診療への期待を語った。

 東京都内の医師は、オンライン診療をどのように受け止めているのか――。それを示すデータとして尾崎氏が紹介したのが、東京都医師会が医師会員を対象に実施した「平成29年度 医療IT化に関する調査」の結果だ。この調査ではアンケート項目の一つとして、オンライン(遠隔)診療を(1)知っているか(利用しているか)、(2)どのように考えているか、を尋ねた。

 質問(1)に対しては、回答者4564人のうち88.4%が「知っているが利用していない」と回答。「利用している」は2.2%だった。

 「利用している」と答えた医師には、使っているオンライン診療サービス(システム)や、何人の患者にオンライン診療を実施したかも質問した。回答者99人のうち、利用しているシステムについてはメドレーの「CLINICS」や情報医療の「curon」を挙げた医師が多かった。何人の患者にオンライン診療を実施したかについては「1~10名程度」が68.7%、「11~50名程度」が17.2%。オンライン診療が「まだ100人や200人といった数の患者には使われていない」(尾崎氏)のが現状である。

 質問(2)への回答が興味深い。回答者4564人のうち、オンライン診療に「どちらかといえば賛成」が38.9%、「どちらかといえば反対」が38.4%と、両者がきっ抗した。現時点でオンライン診療を必ずしも好ましいとは考えていない医師が、かなりの数にのぼることが分かる。