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もう「お漏らし」は怖くない

“排泄”はデジタルヘルスの新鉱脈となるか(上)

2017/03/03 17:45
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 “排泄”周りのヘルスケアサービスの開発が活況を呈している。キーワードは「お漏らし(失禁)対策」と「健康チェック」。便や尿の漏れを予知したり検知したりするセンサーやそれと連携するスマートフォンアプリが、介護支援などへの応用に向けて続々と登場。便や尿を検体とし、健康や疾病リスクを判定するサービスでも多くの企業がしのぎを削っている。

 排泄は誰にとっても、最も身近な営み。一方で、排泄に悩みを抱えていても周囲や医師には相談しずらく、一人で抱えてしまいがちだ。排泄のトラブルは年を重ねるほど起きやすく、周囲にとっても排泄周りのケアは大きな負担になる。

表1●排泄周りの主なヘルスケアサービスや開発中の技術(背景色をつけたのが上編の対象)
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 こうした難しさを抱えているからこそ、排泄はビジネスの視点からは「宝の山」ともいえる。人目に触れることなく使えるセンサーやアプリとの親和性は高く、新サービスの有望なフィールドだ。健康チェックの検体としても、痛みを伴わず何度でも繰り返し採取できるという優れた特徴がある。

 ベンチャー企業から大企業、研究機関まで、さまざまなプレーヤーがしのぎを削る排泄周りのヘルスケアサービスは、デジタルヘルスの新鉱脈となるのか。その最前線を紹介していこう(表1)。上編の今回は「お漏らし対策」がテーマだ。

「4億人市場」を半導体技術で狙う

 全世界に4億人、日本だけでも800万人以上――。尿漏れ(尿失禁)に悩んでいるとされる人口だ。特に女性に多く、出産直後の女性の3人に1人が悩まされているとの推計もある。運動やくしゃみによって膀胱に高い圧力が加わった際などに起こりやすく、加齢や骨盤底筋の緩みも要因になる。

 そんな尿漏れに悩む女性に救いの手を差し伸べるウエアラブルデバイスが、2017年春にも日本で発売される。ライフセンスグループジャパン(東京都立川市)の「Carin(カリン)」である。手掛けるのは、かつて日立製作所に在籍していた半導体のエキスパート達だ。

 ライフセンスグループジャパンは、日立製作所の半導体事業部を経てベルギーの半導体研究機関IMECの日本代表を務めていた米山貢氏が2015年、同僚のValer Pop氏とオランダで立ち上げたLifeSense Group社の兄弟会社だ。

日立製作所の半導体事業部に在籍していた際、米山氏と知り合った金澤氏。その後、人気の証券アナリストとなったが、米山氏に声をかけられモノづくりへの復帰を決意した。右手に持っているのが、Carinのウエアラブルセンサー
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 米山氏らは半導体技術をヘルスケア分野に応用することを志し、LifeSense Group社を創業。日立時代の同僚など数人に声を掛け、日本やアジア地域でのビジネス開拓に向けて2016年1月に立ち上げたのがライフセンスグループジャパンである。

 ヘルスケアの中でも“尿漏れ”に着目したのは、その潜在ニーズの大きさゆえ。「特に若い女性は尿漏れの相談をしに医療機関を訪れるのを嫌がり、放置しがち。専用のパッドやパンツなどの対策グッズは既にあるが、症状の改善にはつながりにくい。我々が提供するツールは自宅で使うことができ、明確に症状改善を目的としている」(ライフセンスグループジャパン 取締役の金澤洋平氏)。

日経デジタルヘルス Special

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